発達障害クリニック附属発達研究所

関連サイト



このサイトでご紹介するSDQ(Strength and Difficulties Questionnaire:子どもの強さと困難さアンケート)は、簡便なスクリーニング式質問票で、幼児期から青年期にかけて、適応と精神的健康の状態を包括的に評価できることから、世界中の多くの国々で使用されているものです。

設立のごあいさつ


 発達障害をとりまく世界の状況はこの30年間余りで大きく様変わりしました。私たちの日本でも、研究予算は十分とは言えないまでも増え、さまざまな事業への財政投入も増えました。発達障害に特化した法律は、すでに最初の改正を経ており、地域での支援体制の整備は徐々に進んできました。以前のようにごく一部の専門家だけが支援を担うのではなく、必ずしも専門家ではない多くの人々が支援者の輪に加わり、発達障害のある子どもの子育てと家族へのサポートが広がりつつあります。実際に、早期から支援を受ける子どもは格段に増え、学校での支援体制も校外からの人的サポートを取り入れて変わりつつあります。

 発達障害の臨床と研究に30年余り携わってきた者として、こうした社会全体の変化の方向をうれしく思う一方で、その変化の遅さにもどかしさも感じています。まだ発達障害全体を説明できるメカニズムが解明されておらず、根本治療は存在しないのですが、それでも今日では、これまでの研究エビデンスに基づいて、その人それぞれに現時点でベターと考えられる支援・治療を提案することが可能になりました。ただし、自閉スペクトラム症(ASD)にしろ、注意欠如・多動性障害(ADHD)にしろ、発達障害と分類される臨床像や背景は個人差が大きく、標準的な支援・治療の効果にも個人差が大きいという課題があります。治療効果を最大にするためには、できるだけ個別化した支援・治療を計画し、継続的に実施することが必要になりますが、専門家、専門機関の少ない現状では、また日本の現行の診療報酬体系のもとでは医療機関はこのように個別化した支援・治療をしたくても難しいと言わざるをえません。研究と臨床現場とのギャップはあまりにも大きいのです。

 発達障害クリニック附属発達研究所では、早期から、個別的に支援・治療を行うことが後の心の健康と社会生活の質にどのような影響を及ぼすかについて、臨床研究をしてまいります。将来の政策決定の根拠となるような臨床現場でのエビデンス作りを広げて、支援者、そして広く社会に発信することを当研究所のミッションとし、一歩一歩研究仲間の輪を広げて、邁進したいと思います。

所長のプロフィール


神尾 陽子
医療法人社団神尾陽子記念会
発達障害クリニック 院長
医学博士

専門領域:
児童青年精神医学、一般精神医学、発達障害

1983年京都大学医学部卒業。ロンドン大学付属精神医学研究所児童青年精神医学課程終了。京大精神神経科助手、米国コネティカット大学フルブライト研究員、九州大学大学院人間環境学研究院助教授を経て、2006年-2018年3月まで国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所児童・思春期精神保健研究部部長。現在は、診療の他、発達障害の臨床研究や教育・医・福祉の連携システムの地域実装に携わる。後進の育成にも注力し、国内外の学術誌、博士論文の査読や多数官民の審議会委員を多数務める。

併任:
一般社団法人 発達障害専門センター 代表理事
国立大学法人 お茶の水女子大学 人間発達教育科学研究所人間発達基礎研究部門 客員教授
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 児童・予精神医学研究部 客員研究員
日本学術会議 現連携会員、前会員

臨床医学委員会
出生・発達分科会委員
脳とこころ分科会委員
アディクション分科会委員
心理学・教育学委員会
公認心理師の専門性と社会貢献検討分科会委員
心理学・教育学委員会・臨床医学委員会・健康・生活科学委員会・環境学委員会・土木工学・建築学委員会合同 子どもの成育環境分科会委員
第二部 大規模感染症予防・制圧体制検討分科会委員

学会活動:
国際自閉症研究会議(International Society for Autism Research: IMSAR)学会誌(Autism Research) 編集委員
日本精神神経学会 ICD-11委員会 委員
日本発達障害学会 理事、常任編集委員
日本自閉症スペクトラム学会 理事
日本小児連絡協議会(日本小児保健協会、日本小児科学会、日本小児科医会、日本小児科関連学会協議会:四者協)発達障害への対応委員会委員長

各種委員:
科学技術振興機構-社会技術研究開発センター 運営評価委員
日本医療研究開発機構AMED課題評価委員
特定非営利活動法人 日本医療政策機構 アドバイザリーボード・メンバー
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 専門協議委員
日本学術振興会 科学研究費委員会専門委員
所沢市立教育センター教育相談室スーパーバイザー

令和2年度業績:
論文

1.Ikeda K, Ide S, Omoe H, Minami M, Miyata H, Kawato M, Okamoto H, Kikuchi T, Saito Y, Shirao T, Sekino Y, Murai T, Matsumoto T, Iseki M, Nishitani Y, Sumitani M, Takahashi H, Yamawaki S, Isa T, Kamio Y. (2021). Required research activities to overcome addiction problems in Japan. Taiwanese Journal of Psychiatry, 35:6-11.
Doi:10.4103/TPSY.TPSY_3_21, March 25, 2021

2.Kuru Y, Nishiyama T, Sumi S, Suzuki F, Shiino T, Kimura T, Hirai K, Kuroda M, Kamio Y, Kikuchi S. Practical applications of brief screening questionnaires for autism spectrum disorder in a psychiatry outpatient setting. International Journal of Methods in Psychiatric Research (IJMPR) 2020 Nov 20; e1857. doi: 10.1002/mpr.1857. Online ahead of print

3.David G. Amaral, Evdokia Anagnostou, Vanessa H. Bal, Josephine Barbaro, Angela B. Barber, Ricardo Canal‐Bedia, Nola Chambers, Stephen R. Dager, Geraldine Dawson, John‐Joe Dawson‐Squibb, Petrus J. de Vries, Gabriel Dichter, Cheryl Dissanayake, Gauri Divan, Annette Estes, Dani Fallin, Lauren Franz, Naoufel Gaddour, Alan H. Gerber, Melissa Gilbert, Rebecca M. Girard, Ofer Golan, Johathan Green, Michal Harty, Jill Howard, Darren Hedley, Caitlin M. Hudac, Susan M. Hayward, Lisa V. Ibanez, Hiroshi Ishiguro, Angelina Kakooza Mwesige, Yoko Kamio, Rajesh K. Kana, Jennifer L. Keluskar, Daniel P. Kennedy, Connor M. Kerns, Jessica Kinard, Genevieve Konopka, Frank Kooy, Hirokazu Kumazaki, Janet E. Lainhart, Lauren P. Lawson, Kathy Leadbitter, Matthew D. Lerner, Katherine A. Loveland, Maria Magan‐Maganto, Masaru Mimura, Peter Mundy, Taro Muramatsu, Declan Murphy, Bethany Oakley, Sarah O'Kelley, Kally C. O'Reilly, Seon‐Hye E. Park, Alexia Rattazzi, Melanie Ring, Reetabrata Roy, Amber Ruigrok, Nancy Sadka, Diana Schendel, Liezl Schlebusch, Alison Singer, Tanya St. John, Wendy L. Stone, Helen Tager‐Flusberg, Carol Taylor, Julian Tillmann and the AIMS‐2‐TRIALS Consortium, Theodore S. Tomeny, Danielle Toth, Katy Unwin, Vivek Vajaratkar, Jeremy Veenstra‐VanderWeele, Marisa Viljoen, Heather Volk, Susan W. White, Andrew J. O. Whitehouse, Christine Wu Nordahl, Yuichiro Yoshikawa (2020). Commentary: COVID-19 and Autism Research: Perspectives from Around the Globe. Autism Research 13: 844–869, First published: 27 June 2020 https://doi.org/10.1002/aur.2329

4.Haraguchi H, Yamaguchi H, Miyake A, Tachibana Y, Stickley A, Horiguchi M, Inoue M, Noro F, Kamio Y. (2020). One-year outcomes of low-intensity behavioral interventions among Japanese preschoolers with autism spectrum disorders: Community-based study. Research in Autism Spectrum Disorders, 76.https://doi.org/10.1016/j.rasd.2020.101556, August, 2020

5.神尾陽子(2021). マルトリートメントと神経発達症との関係―エビデンスの再整理―. 精神科治療学, 36(1):17-22. 東京, 星和書店.

6.神尾陽子.(2021). 第10回市民講座 赤ちゃんから社会へのメッセージ:発達障害の子供に対する需要、見守り、支援のあり方を考える. 発達障害の子どもの子育てにやさしい社会に. ストレス&へルスケア 別冊. pp.4-5. 東京, 公益財団法人パブリックへルスリサーチセンター先端声明医科学研究所.

7.神尾陽子(2021). 知的障害や発達障害のある子どものストレスへの理解. 特別支援教育研究, 3 (763), pp.2-5.全日本特別支援教育研究連盟編集, 東洋館出版社.

8.神尾陽子.(2021). 心理検査を活用したアセスメント SRS-2対人応答性尺度. LD ADHD & ASD Vol. 24, No. 1, Pp.48-51, 東京, 明治図書.

9.神尾陽子.(2020). 自閉スペクトラム症. 今日の診断指針 第8版. 総編集 永井良三. pp. 1448-1450. 東京, 医学書院.

10.神尾陽子(2020). シンポジウム11「児童精神医療へのファースト・コンタクト」. 指定発言 地域ニーズに応える児童精神医療の実現のために何が変わる必要があるのか. 児童青年精神医学とその近接領域, 61(5):40-42.

特別(教育)講演・招待講演

1.神尾陽子. 発達障害に関する研究と臨床実践のギャップとその克服. 関連団体企画シンポジウム 発達支援において臨床実践と基礎研究を繋げる~臨床実践者と基礎研究者が協働してできること~日本発達心理学会第32回大会, オンライン開催(ライブ配信), 2021.3.29.

2.神尾陽子(企画、指定討論). 学会企画シンポジウム 高機能ASD者の就労上の課題とそれに伴う高機能ASD者に特化した就労支援の必要性. 第55回日本発達障害学会総会. オンライン開催(ライブ配信), 2020.12.26.

3.神尾陽子. 高機能ASD者の幸せな就労のために:メンタルへルスを含む包括的な支援の視点. 学会企画シンポジウム 高機能ASD者の就労上の課題とそれに伴う高機能ASD者に特化した就労支援の必要性. 第55回日本発達障害学会総会. オンライン開催(ライブ配信), 2020.12.26.

4.神尾陽子.新型コロナウイルス感染拡大で顕在化してきたメンタルヘルス問題対策とは:収束後に向けて,「新型コロナウイルス感染症コントロールに向けての学術の取り組み」,日本学術会議,東京,2020.11.28

5.神尾陽子.Towards social implementation of evidenced-based management for children with autism spectrum disorder (ASD) and their families, The 18th ASEAN-Japan High Level Officials Meeting on Caring Society,厚生労働省,東京, 2020.10.30

6.神尾陽子.発達障害と女性, 東京都発達障害者支援体制整備推進事業 ~医療従事者向け講習会~,東京, 2020.10.18

7.神尾陽子.脳を育む 「スマホが「発達障害」を招くのか??」第28回 脳の世紀シンポジウム,東京, 2020.9.16

8.神尾陽子.「人生におけるスポーツの価値と科学的エビデンス 新型コロナ感染収束後の社会のために」, 日本学術会議,東京, 2020.6.18

提言:

1.日本学術会議心理学・教育学委員会・臨床医学委員会・健康・生活科学委員会・環境学委員会・土木工学・建築学委員会合同子どもの成育環境分科会.提言 我が国の子どもの成育環境の改善にむけてー成育空間の課題と提言2020-.2020.9.25.

2.日本学術会議臨床医学委員会出生・発達分科会.提言 発達障害への多領域・多職種連携による支援と成育医療の推進.2020.8.31.

3. 日本学術会議科学的エビデンスに基づく「スポーツの価値」の普及の在り方に関する委員会.提言 科学的エビデンスを主体としたスポーツの在り方-Evidence Based Sports for Diverse Humanity (EBS4DH).2020.6.18.

4. 日本学術会議科学的エビデンスに基づく「スポーツの価値」の普及の在り方に関する委員会.回答 科学的エビデンスに基づく「スポーツの価値」の普及の在り方.2020.6.18.

5. 日本学術会議臨床医学委員会アディクション分科会、脳とこころ分科会、基礎医学委員会神経科学分科会.提言 アディクション問題克服に向けた学術活動のあり方に関する提言.2020.4.15.

翻訳(監訳):

学級担任のための発達障害支援ガイド―自閉スペクトラム症のある子どもが学校生活で輝くために. 神尾陽子監訳, 岩渕デボラ訳, 星和書店, 2020. (Deborah Fein, Michelle A. Dunn, 2007: Autism in Your Classroom: A General Educator’s Guide to Students with Autism Spectrum Disorders, Woodbine House)

メディア:

Web掲載 ナショナルジオグラフィック日本版Web版 第1回 「自閉症」ってなんだろう 2020.4.28 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/19/042000014/042100002/

Web掲載 ナショナルジオグラフィック日本版Web版 第2回 これほど違う自閉症の現れ方、3歳男児と4歳女児の例 2020.4.29  https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/19/042000014/042100003/

Web掲載 ナショナルジオグラフィック日本版Web版 第3回 病院の外で見つけた自閉スペクトラム症への「最適な取り組み」 2020.4.30. https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/19/042000014/

Web掲載 ナショナルジオグラフィック日本版Web版 第4回 自閉症の特性はみんなにあると示した画期的な研究 2020.5.1. https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/19/042000014/042200005/?P=3

Web掲載 ナショナルジオグラフィック日本版Web版 第5回 自閉スペクトラム症の早期支援が大切な理由 2020.5.2. https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/19/042000014/042300006/?ST=m_m_labo

Web掲載 ナショナルジオグラフィック日本版Web版 第6回 自閉スペクトラム症を「愛着」の問題で済ませてはいけない 2020.5.3. https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/19/042000014/042300007/

令和元年以前の主な業績:

Kamio Y, Inada N, Moriwaki A, Kuroda M, Koyama T, Tsujii H, Kawakubo Y, Kuwabara H, Tsuchiya KJ, Uno Y, Constantino JN (2013). Quantitative autistic traits ascertained in a national survey of 22,529 Japanese schoolchildren. Acta Psychiatrica Scandinavica, 128(1), 45-53, DOI 10.1111/acps.12034

概要

自閉症特性の連続性に関する研究:実際には未診断、未治療の発達障害児が多数存在するため、一般地域集団あるいは小中学校通常学級の児童を対象に自閉症症状・特性の分布を調べ、正規分布に似た連続体であることを示した。この成果は2013年に改訂された最新の国際的診断基準DSM-5のASD概念の根拠として、米国精神医学会の児童精神医学テキスト(Dulcan’s textbook, 2016に引用された。用いた症状評価尺度SRSおよびSDQは日本人児童成人で標準化を済ませたので、環境庁の大規模出生コホート調査(エコチル調査)で発達過程の複数時点で採用された他、わが国の発達障害研究で用いられ、研究の推進の一助となった。

Kamio Y, Inada N, Koyama T, Inokuchi E, Tsuchiya K, Kuroda M. (2014). Effectiveness of using the Modified Checklist for Toddlers with Autism in two-stage screening of autism spectrum disorder at the 18-month health check-up in Japan. J Aut Dev Disord, 44 (1), 194-203, DOI 10.1007/s10803-013-1864-1.

概要

発達障害の早期発見:福岡のコホートデータ収集を完遂し、さらに東京などでも縦断データを収集し、乳幼児健診(1歳半、2歳)での親回答質問紙M-CHATを用いた自閉症早期発見の有用性を検証し、わが国での発達障害早期発見体制整備の根拠となるエビデンスを提供した。この成果は平成24年改正の母子健康手帳の1歳の記載欄に追加されたことに加え、乳幼児健診の保健指導テキストに推奨項目として掲載された。また国民運動である「健やか親子21」の第2次計画(平成27~36年度)の重点課題(育てにくさを感じる親に寄り添う支援)の新たな指標としても採用され、子どもの社会性の発達過程を知っている親を増やすことが啓発目標となった。現在、国が推奨して全国の乳幼児健診現場に実装されつつある。

♢神尾陽子(2017). 子どもの心の健康を学校で育て、守る:教育と医療を統合した心の健康支援. 叢書23子どもの健康を育むために-医療と教育のギャップを克服する-.pp.99-114. 編集 神尾陽子, 桃井眞里子, 児玉浩子, 山中龍宏, 高田ゆり子, 衞藤隆, 原寿郎, 水田祥代,日本学術協力財団, 東京.

概要

長期的観点からみて児童期の心の健康問題への適切な早期介入の重要性が、最近のコホート研究によって明らかになってきたが、研究と実践のギャップは埋まらず、日本の子どもの健康問題への対応が遅れ、青年期以降の社会機能を減じる要因となっている。本論文では、こうした現実問題に対する提供可能かつ持続可能な対応策として、最近の関連法改正を踏まえて、学校をプラットフォームとする、予防から介入までを含む包括的でかつ連続的なユニバーサルなアプローチを提案した。すなわち、児童生徒および教職員の健康予防教育の充実、保健調査を活用した心の健康に関するスクリーニングの導入、地域内連携をベースとする学校での支援計画策定と早期対応などである。行政的にも理論的にも別個の体系のもとに確立されてきた教育と医療が、子どもの心の健康と共通の目標に向けて効果的な協働を実現するためには、倫理の枠組みを共有しつつ、実証的エビデンスに基づく多職種での健康支援システムを構築しなくてはならないし、そのために教育と医療の共同研究はもっと実施される必要があり、もっとオープンな社会全体の議論が必要であることを論じた。

その他
主な論文:

♢Noriuchi M, Kikuchi Y, Mori K, Kamio Y (2019). The orbitofrontal cortex modulates parenting stress in the maternal brain. Scientific Reports 9:1658, DOI https://doi.org/10.1038/s41598-018-38402-9

♢Haraguchi H, Stickley A, Saito A, Takahashi H, Kamio Y. (2018). Stability of autistic traits from 5 to 8 years of age among children in the general population. Journal of Autism and Developmental Disorders, 49(1), 324-334, 2019, DOI 10.1007/s10803-018-3770-z

♢Takahashi H, Nakamura T, Kim J, Kikuchi H, Nakahachi T, Ishitobi M, Ebishima K, Yoshiuchi K, Ando T, Stickley AM, Yamamoto Y, Kamio Y. (2018). Acoustic hyper-reactivity and negatively skewed locomotor activity in children with autism spectrum disorders: an exploratory study. Frontiers in Psychiatry. DOI: 10.3389/fpsyt.2018.00355, https://www.frontiersin.org/journals/psychiatry# 2018 Aug 6

♢Stickley A,Tachimori H, Inoue Y, Shinkai T, Yoshimura R, Nakamura J, Morita G, Nishii S, Tokutsu Y, Otsuka Y, Egashira K, Inoue M, Kubo T, Tesen H, Takashima N, Tominaga H, Koyanagi A, Kamio Y. Attention-deficit/hyperactivity disorder symptoms and suicidal behavior in adult psychiatric outpatients. Psychiatry and Clinical Neurosciences 72(9); 713-722, 2018 May 29. doi: 10.1111/pcn.12685.

♢Stickley A, Koyanagi A, Takahashi H, Ruchkin V, Inoue Y, Yazawa K, Kamio Y (2018). Attention-deficit/hyperactivity disorder symptoms and happiness among adults in the general population. Psychiatry Research 265; 317-323.

♢Tachibana Y, Miyazaki C, Ota E, Mori R, Hwang Y, Kobayashi E, Terasaka A, Tang J, Kamio Y (2018). Meta-analyses of individual versus group interventions for pre-school children with autism spectrum disorder (ASD). PLOS ONE 13(5): e0196272.
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0196272. 2018 May 15.

Kamio Y, Takei R, Stickley A, Saito A, Nakagawa A (2018). Impact of Temperament and Autistic Traits on Psychopathology in School-Age Children. Personality and Individual Differences, 124, 1 April, 1-7. Doi.org/10.1016/j.paid.2017.11.034

♢Tachibana Y, Miyazaki C, Ota E, Mori R, Hwang Y, Kobayashi E, Terasaka A, Tang J, Kamio Y (2017). A systematic review and meta-analysis of comprehensive interventions for pre-school children with autism spectrum disorder (ASD). PLoS ONE 12(12): e0186502. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0186502. Dec 6, 2017.

♢Stickley A, Koyanagi A, Takahashi H, Ruchkin V, Inoue Y, Kamio Y (2017). Attention-deficit/hyperactivity disorder symptoms and physical multimorbidity: a population-based study. European Psychiatry, Sep;45:227-234. DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.eurpsy.2017.07.010

♢Saito A, Stickey A, Haraguchi H, Takahashi, H, Ishitobi M, Kamio Y (2017). Association between Autistic Traits in Preschool Children and Later Emotional/Behavioral Outcomes. J Aut Dev Disord, 47(11):3333-3346. DOI: 10.1007/s10803-017-3245-7

♢Stickley A, Koyanagi A, Takahashi H, Ruchkin V, Inoue Y, Kamio Y (2017). Attention-deficit/hyperactivity disorder symptoms and loneliness among adults in the general population. Research in Developmental Disabilities, 62:115-123.4

♢Takahashi H, Nakahachi T, Stickley A, Ishitobi M, Kamio Y. (2018). Relationship between physiological and parent-observed auditory over-responsiveness in children with typical development and those with autism spectrum disorders. Autism, 22(3):291-298. . DOI: 10.1177/1362361316680497

♢Matson J. L., Matheis M, Burns C.O., Esposito G, Venuti P, Pisula E, Misiak A, Kalyva E, Tsakiris V, Kamio Y, Ishitobi M, & Goldin R.L. (2017). Examining cross-cultural differences in autism spectrum disorder: a multinational comparison from Greece, Italy, Japan, Poland, and the United States. European Psychiatry,42:70-76. DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.eurpsy.2016.10.007

♢Takahashi H, Nakahachi T, Stickley A, Ishitobi M, Kamio Y. Stability of the acoustic startle response and its modulation in children with typical development and those with autism spectrum disorders: a one-year follow-up. Autism Research. 10(4):673-679, 2017. DOI: 10.1002/aur.1710

♢Stickley A, Tachibana Y, Hashimoto K, Haraguchi H, Miyake A, Morokuma S, Nitta H, Oda M, Ohya Y, Senju A, Takahashi H, Yamagata T, Kamio Y. (2017). Assessment of autistic symptoms in children aged 2 to 4½ years with the preschool version of the Social Responsiveness Scale (SRS-P): findings from Japan. Autism Research, 10(5):852-865. DOI: 10.1002/aur.1742

♢Kuroki T, Ishitobi M, Kamio Y, Sugihara G, Murai T, Motomura K, Ogasawara K, Kimura H, Aleksic B, Ozaki N, Nakao T, Yamada K, Yoshiuchi K, Kiriike N, Ishikawa T, Kubo Ch, Matsunaga C, Miyata H, Asada T, Kanba S. (2016). Current viewpoints on DSM-5 in Japan. Psychiatry and Clinical Neuroscience, Sep;70(9):371-93. doi: 10.1111/pcn.12421.

♢Stickley A, Koyanagi A, Takahashi H, Kamio Y. (2016). ADHD symptoms and pain in adults in the English general population. Psychiatry Research, 246:326-331. DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.psychres.

♢Takahashi H, Komatsu S, Nakahachi T, Ogino K, Kamio Y(2016). Relationship of the acoustic startle response and its modulation to emotional and behavioral problems in typical development children and those with autism spectrum disorders. J Aut Dev Disord, 46(2), 534-543, DOI: 10.1007/s10803-015-2593-4

♢Stickley A, Koyanagi A, Ruchkin V, Kamio Y (2016). Attention-deficit/hyperactivity disorder and suicide ideation and attempts: findings from the Adult Psychiatric Morbidity Survey 2007. Journal of Affective Disorders,189:321-328.
doi:10.1016/j.lad.2015.09.061.

♢Matsuo J, Kamio Y, Takahashi H, Ota M, Teraishi T, Hori H, Nagashima A, Kinoshita Y, Ishida I, Hiraishi M, Takei R, Higuchi T, Motohashi N, Kunugi H. Autistic-like traits in adult patients with mood disorders and schizophrenia. PLOS One, 2015 Apr 2;10(4):e0122711. doi: 10.1371/journal.pone.0122711.

Kamio Y, Haraguchi H, Stickley A, Ogino K, Ishitobi M, Takahashi H. (2015). Brief Report: Best Discriminators for Identifying Children with Autism Spectrum Disorder at an 18-month Health Check-Up in Japan. J Aut Dev Disord, 45(12), 4147-4153. DOI:
10.1007/s10803-015-2527-1.

Kamio Y, Haraguchi H, Miyake A, Hiraiwa M. Brief report: Large individual variation in outcomes of autistic children receiving low-intensity behavioral interventions in community settings. Child and Adolescent Psychiatry and Mental Health, 9:6
doi:10.1186/s13034-015-0039-6. 25 March 2015

♢Takahashi H, Nakahachi T, Komatsu S, Ogino K, Iida Y, Kamio Y. Hyperreactivity to weak acoustic stimuli and prolonged acoustic startle latency in children with autism spectrum disorders. Molecular Autism, 03/2014; 5(1):23. DOI:10.1186/2040-2392-5-23

♢Fein D, Kamio Y. Editorial: Commentary on The Reason I Jump by Naoki Higashida. Journal of Developmental & Behavioral Pediatrics, 35(8), 539-542. DOI: 10.1097/DBP.0000000000000098.

♢Takei R, Matsuo J, Takahashi H, Uchiyama T, Kunugi H, Kamio Y. Verification of the utility of the Social Responsiveness Scale for Adults in non-clinical and clinical adult populations in Japan. BMC Psychiatry 2014, 14:302 doi:10.1186/s12888-014-0302-z

♢Moriwaki A, Kamio Y. Normative data and psychometric properties of the Strengths and Difficulties Questionnaire among Japanese school-aged children. Child and Adolescent Psychiatry and Mental Health.2014, 8:1.doi: 10.1186/1753-2000-8-1

Kamio Y, Inada N, Koyama T (2013): A nationwide survey on quality of life and associated factors of adults with high-functioning autism spectrum disorders. Autism, 17 (1): 16-27.

♢Maekawa T, Tobimatsu S, Inada N, Oribe N, Onitsuka T, Kanba S, Kamio Y (2011):Top-down and bottom-up visual information processing of non-social stimuli in high-functioning autism spectrum disorder. Research in Autism Spectrum Disorders, 5, 201-209.

♢Fujita T, Yamasaki T, Kamio Y, Hirose S, Tobimatsu S (2011): Parvocellular pathway impairment in autism spectrum disorder: Evidence from visual evoked potentials. Research in Autism Spectrum Disorders, 5, 277-285.

♢Inada N, Koyama T, Inokuchi E, Kuroda M, Kamio Y (2011): Reliability and validity of the Japanese version of the Modified Checklist for Autism in Toddlers (M-CHAT). Research in Autism Spectrum Disorders, 5, 330-336.

♢Noriuchi M, Kikuchi Y, Yoshiura T, Kira R, Shigeto H, Hara T, Tobimatsu S, Kamio Y (2010): Altered white matter fractional anisotropy and social impairment in children with autism spectrum disorder. Brain Research, 1342, 141-149.

Y.Kamio, M. Toichi (2007): Memory illusion in high-functioning autism and Asperger’s disorder, Journal of Autism and Developmental Disorders, 37, 867-876.

Y.Kamio, D. Robins, E. Kelley, B. Swainson, & D. Fein (2007): Atypical Lexical/Semantic Processing in High-Functioning Autism Spectrum Disorders without Early Language Delay. Journal of Autism and Developmental Disorders, 37, 1116-1122.

Y.Kamio, J. Wolf, & D. Fein (2006): Automatic processing of emotional faces in children and adolescents with high-functioning pervasive developmental disorders: An affective priming study. Journal of Autism and Developmental Disorders, 36, 155-167.

Y.Kamio, M. Toichi (2000): Dual access to semantics in autism: Is pictorial access superior to verbal access ? Journal of Child Psychology and Psychiatry,41,859-867.

著書:

Kamio Y, Inada N.(2014): Early diagnosis of ASD in toddlers and school children: Community studies and national surveys in Japan. : In V.B. Patel, V.R. Preedy, C. Martin (eds.), The Comprehensive Guide to Autism, vol. 3, pp. 2561-2577. Springer Science+Business Media, New York.

♢Yamazaki T, Maekawa T, Takahashi H, Fujita T, Kamio Y, Tobimatsu S. (2014): Electrophysiology of visual and auditory perception in autism spectrum disorders. : In V.B. Patel, V.R. Preedy, C. Martin (eds.), The Comprehensive Guide to Autism, vol. 2, pp. 791-80, Springer Science+Business Media, New York.

♢Kamio,Y., Tobimatsu, S., & Fukui, H. (2011): Developmental disorders. In J. Decety, J. Cacioppo (eds.), The Oxford Handbook of Social Neuroscience (Oxford Library of Psychology), pp.848-858. Oxford, Oxford University Press.

♢Yamazaki, T., Fujita, T., Kamio, Y, & Tobimatsu, S. (2011): Motion perception in autism spectrum disorder. (eds.), In A. M. Columbus (ed.),Advances in Psychology Research, Vol.82, Motion Perception. pp. 197-211.Nova Science Publishers, New York.

♢神尾陽子(2018). Map 眼で見る発達障害.発達障害. 企画 神尾陽子.最新医学別冊: 診断と治療のABC130. 大阪, 最新医学社, pp.7-14. 2018.1.1. 79) 神尾陽子 (2012): 精神科医療で出会う自閉症スペクトラム障害のあるおとなたち. 神尾陽子(編): 成人期の自閉症スペクトラム診療実践マニュアル. pp 2-12, 東京, 医学書院.


第3回研究会 - 2019年7月1日 -

「アタッチメント研究とアタッチメント理論に基づく支援」


話題提供者:近藤清美先生
帝京大学文学部

 近藤清美先生をお招きして、アタッチメントおよびアタッチメントの障害についての勉強会を持ちました。大変関心の高いテーマのため、クリニック外からの参加者も含め、総勢18名となり、カンファレンスルームから溢れる盛況ぶりでした。

 最新の研究動向の講義をしていただき、「アタッチメント理論」を参照する際にいくつか留意すべき点を整理することができました。

 第1に、アタッチメントの原義は、危機的状況下において「確実な避難場所」となる対象を指しているのに対して、日本では和訳の「愛着」の影響を受け、「母子間の一対一の排他的関わり」という認識が根強いということ、第2に、愛着形成に階層性があるという従来の考え方は、最近のオランダやイスラエルでの研究結果から否定され、母親だけでなく複数のアタッチメント対象から統合されうるということ、第3に、アタッチメントのタイプは子どもあるいは養育者の要因だけが注目される傾向にあるが、アタッチメントのパターンはあくまで関係性の文脈の中で生じるものであり、双方向的な関わりの中でどのようにして行動様式が形成されたかを捉えることが必要であること。

 特に自閉スペクトラム症のある子どもでは機能レベルがアタッチメントのパターン形成に影響を及ぼす可能性が示唆されているため、アタッチメントの非安全タイプ イコール マルトリートメントといった、一面的な捉え方ではなく、「なぜこの親子の間でこうしたアタッチメントのパターンが形成されたのか」を多面的に理解する必要性があることを再認識することができました。

第2回研究会 - 2019年4月19日 -

「Parent training programs for children with autism spectrum disorders.」


話題提供者:Prof Dr. Nahit Motaballi Mukaddes
Istanbul Institute of Child and Adolescent Psychiatry 前Istanbul University 児童精神医学教授

 当研究所所長の神尾が長年、親しくおつきあいしているProf Dr. Nahit Motaballi Mukaddesをお迎えして、Parent training programs for children with autism spectrum disordersについての講義をして頂きました。

 先生は大学教授時代からクリニックでの臨床を続けてこられ、現在はクリニックを拠点としてエネルギッシュにトルコの発達障害臨床と研究をリードされています。

 彼女の臨床は、行動介入の原理を踏まえたエビデンスを大切にしながら、トルコ文化特有の家族関係や愛着を大切にしたもので、長年の地域の療育実践家とのスムーズな連携構築によって実現されています。

 講義では、就学前の保育現場に、ASDの特性をよく理解したスタッフが、定型児を主とする集団「遊び」の中で自然にASD児が参加できるよう支援する様子が、ケースの動画を通して提示されました。日本の保育所や幼稚園の現場での発達障害/発達障害特性の高い子どもへの個別的支援のあり方について示唆が大きいものと考えられました。

第1回研究会 - 2019年4月16日 -

「子どもの発達を促すための多層的な支援システムの構築」
Supporting Students’ Development and Wellbeing through the Multi-tiered System of Support (MTSS)


話題提供者:堀口真里先生
元シンガポール教育省教育心理士

 第一回の勉強会では、近年、学校心理学の分野でアメリカやシンガポールで広く使われている「多層的な支援システム(Multi-tiered System of Support; MTSS)」の概念を中心に、日本と海外の教育現場での特別支援について話し合いました。

 オーストラリアとシンガポールで心理士の経験を積んできた堀口先生が、シンガポールの教育体制を中心に共有しました。

 学力・社会性・情動など様々な側面において子どもの学校での適応を促進するために、MTSSの概念を使ってシステムから変えていく動きが広まりつつあるようです。