SDQとは?


 SDQ(Strength and Difficulties Questionnaire:子どもの強さと困難さアンケート)は、子どもの情緒や行動についての25の質問項目を親または学校教師が回答する形式の短いアンケートです。子どものメンタルヘルス全般をカバーするスクリーニング尺度として、ロバート・グッドマン博士によって英国で開発され1)、信頼性と妥当性の検証が積み重ねられ、今では世界各国で臨床評価、学校健診などのスクリーニング、そしてさまざまな研究の目的で広く用いられています。


1)Goodman R: The strength and difficulties questionnaire: a research note. Japanese Child Psychol Psychiatry 1997, 38:581–586.


項目内容


困難さに関する下位尺度は4つ、強みに関する下位尺度は一つです。
それぞれ5項目、計25項目の質問から構成されています。
困難さ(difficulties):情緒の問題、行為の問題、多動/不注意、仲間関係の問題、の4下位尺度20項目
強み(strengths):向社会的な行動、の1下位尺度5項目

表1 SDQの下位尺度

情緒の問題
(Emotional Symptoms:ES)
#3,#8,#13,#16,#24
行為の問題
(Conduct Problems:CP)
#5,#7(逆転項目),#12,#18,#22
多動/不注意
(Hyperactivity/Inattention:HI)
#2,#10,#15,#21(逆転項目),#25(逆転項目)
仲間関係の問題
(Peer Problems:PP)
#6,#11(逆転項目),#14(逆転項目),#19,#23
向社会的な行動
(Prosocial Behavior:PB)
#1,#4,#9,#17,#20
総合的困難さ
(TDS: total difficulties score)
合計(PBを除く4つの下位尺度の合計得点)

表2 SDQ項目の概要

下位尺度表

得点化

各項目について、「あてはまらない」なら0点、「まああてはまる」なら1点、「あてはまる」なら2点と、3件法で評定します。各下位尺度の合計点は 0-10点となります。得点が高いほど困難さが大きいことを意味します。困難さに関する4つの下位尺度(情緒の問題、行為の問題、多動/不注意、仲間関係の問題)の合計点は、「総合的困難さ(TDS: total difficulties score)」(0-40点)として計算します。下位尺度毎に得点化する他、全体の傾向を把握する指標として、このTDSを用いることが多いです。向社会的な行動の下位尺度得点は高いほど強みが大きいことを意味します。

計算方法はHPに示されています。→http://www.sdqinfo.com/py/sdqinfo/c0.py